太陽光パネルと蓄電池の弱点と対策|記録的な長雨でも電力自給率92%、残りの8%は?
こんにちわ@・ェ・)めー。
わが家は一条工務店のi-smile+という商品でお家を建てました。大容量の太陽光パネルと蓄電池2台で、快適な室内空間を実現しつつ電気をできるだけ買わないというコンセプトで暮らしています。
例年9月は発電に余裕のある月なんですが、今年の9月は記録的な長雨が続いて…なんとわが家の発電量は2023年1月以降でいちばん少ない月になりました。
それでも家で使った電気の約92%は自給自足できた結果となりました。
では、残りの8%は何が足りなくて買った電気だったのか。東京では統計上初めてという長雨です。太陽光発電にとても不利なお天気だからこそ電気の自給自足を実現するうえで鍵になる要素も見えてくるかもしれない。そう思って、9月に電気を買った時間を1時間ごとの記録で全部たどってみました。
記録的な長雨と、2023年以降でいちばん少ない発電
東京都心では8月27日から9月30日まで35日連続で降水があり、9月のすべての日に降水があったのは観測史上初とみられます(ウェザーニュース)。
わが家の分析でいつも参照している気象庁さいたまの観測点でも、日照は大きく減っていました。
| 気象庁さいたま(アメダス)の2026年9月 | 値 |
|---|---|
| 日照時間 | 43.9時間(直近3年の9月は166〜172時間) |
| 降水量 | 515.0 mm |
| 降水0.5 mm以上の日 | 23日 |
| 日照0.0時間の日 | 21日 |
出典:気象庁 さいたま 日別値
日照時間は直近3年の9月の約4分の1しかありませんでした。
そんな9月、わが家の発電は724kWhでした。記録のある2023年1月以降で、月としていちばん少ない発電です。次に少ないのが2025年10月の883kWhなので、だいぶ離れた最下位ですね。
大雪の2月と長雨の9月、同じ約92%の中身
大雪が降った今年の2月も電力自給率は約92%でした。月ごとの数字はパワーモニター、電欠時間は1時間ごとの記録から数えています。
| 2026年2月 | 2026年9月 | |
|---|---|---|
| 発電 | 982kWh | 724kWh |
| 消費 | 646kWh | 530kWh |
| 売電 | 327kWh | 181kWh |
| 買電 | 51kWh | 44kWh |
| 電力自給率 | 92.1% | 91.7% |
| 電欠時間 | 68時間 | 77時間 |
※2月は28日、9月は30日です。月の日数が違うので、合計の大きさはそのままは比べられません。
- 電力自給率(エネルギー自給率)
- (消費-買電)/消費 【消費電力のうち買電以外の太陽光由来の電力】
→買わずに済んだ電気の割合です
- 電欠時間
- 1時間に0.2kWhより多く電気を買った1時間枠の数です。
蓄電池が空だった実際の時間や停電の時間ではありません。
電力自給率はほとんど同じでも電気の不足の現れ方は違いました。
2月は買電51kWhのうち28.8kWh(56%)を、2月8日と9日の2日間で買っています。太陽光パネルが雪で覆われて8日は一日の発電が0.5kWhしかありませんでした。9日も昼前までは発電がなく、この日に買った9.2kWhのうち9.0kWhは0時から正午までの分です。
9月は買った量は2月より少ないのに、電欠時間は77時間と2月の68時間より長くなりました。蓄電池が2台になった2023年7月から2026年9月までの39か月で、2番目に長い数字です(いちばん長いのは2024年2月の95時間)。
余裕の月のはずが結果は真冬並みでした。9月でも天候によって発電量、そして電気を買う時間がここまで変わるんだと体感しました。
日照0時間の日に、パネルはどれだけ発電したか
さいたまで日照時間が0.0時間と記録された日は9月に21日ありました。
その21日に、わが家は合計348.7kWhを発電していました。9月の発電の48%にあたり1日平均で約17kWhです。ちなみに日照が8時間以上あった3日は1日55〜60kWh発電しています。
日照0時間なのに太陽光で発電しているという一見して矛盾した結果になっていますが、この日照時間は直射日光がある強さ以上で当たっていた時間のことで、届いた光の量(日射量)そのものではありません。日照0.0時間の日でも空が真っ暗なわけではないからですね。
それと、さいたまの観測点とわが家は同じ場所ではありません。さいたまで日照0.0時間の日に、わが家の上では雲が切れていた時間があったのかもしれません。
9月の電気は、いつ買っていたのか
冬の時期に夜から朝にかけて電気を買うことは、これまでの暮らしで体感していました。冬は十分に発電する直前に、朝食という電気を使う時間帯があるんですね。では、長雨の9月はどうだったのでしょうか。
単純に月の合計値を見ると電気は余っていました。売電が181kWhで、買電が44kWh。売った電気は買った電気の約4倍あります。発電が消費を下回った日も30日のうち10日だけで、続いたのは最長でも2日でした。ただし月末には、数日を足しても発電が消費に届かない区間もありました。

※図1:上段は1日の発電、消費、買電の合計です。下段は蓄電池の残量で、縦棒がその日の最大から最小まで、●がその日の最小です。9/20〜22 と 9/26〜30 に印をつけています。
では44kWhはいつ買っていたのでしょうか。1時間ごとの記録で数えると偏りははっきりしていました。
| 9月の買電44kWhは、いつ起きたか | |
|---|---|
| 18時〜翌8時に買った分 | 85% |
| 蓄電池の残量表示が低くなった時間帯に買った分 | 約9割 |
| 買電の多い上位5日に買った分 | 約6割 |
| 買電が0.5kWh以下で済んだ日 | 18日 |
数え方と、数字の出どころ
- 「残量表示が低くなった時間帯」は、1時間のうちに蓄電池の残量表示が2%以下まで下がった時間帯です(5%以下で数えても同じく約9割)。「空」は残量表示からの呼び方で、電池の中身が本当にゼロという意味ではありません。
- 月の量と電力自給率はパワーモニターの月の値です。時刻ごとの割合は一条工務店のアプリの1時間ごとの記録、蓄電池の残量と温湿度はHome Assistant(家の機器の記録を集めているソフト)の記録から出しています。出どころが違うので、合計には小さな差が出ます。
買った電気のほとんどは夜と、蓄電池の残量表示が低くなっている時間のものでした。

蓄電池はタンクみたいなものです。
昼にいっぱいになったら、あふれた分は売るしかありません

夜にタンクが空になれば 朝までは買うしかない
月の合計では電気が余っていても、蓄電池の残量が少ないまま夜を迎えた場合は朝まで電気を買うしかありません。これが、太陽光パネルと蓄電池の弱点です。
9月20日から22日、月でいちばん発電した日に買った電気
この時間のずれがいちばんよく見えるのが、図1で印をつけた9月20日から22日の3日間です。
| 日付 | 発電 | 消費 | 買電 | 売電 |
|---|---|---|---|---|
| 9/20 | 12.5kWh | 13.4kWh | 0.1kWh | 0.0kWh |
| 9/21 | 2.1kWh | 13.6kWh | 7.9kWh | 0.0kWh |
| 9/22 | 59.5kWh (月で最多) | 24.9kWh | 3.3kWh (うち3.2kWhは0〜8時) | 29.5kWh |
| 3日計 | 74.2kWh | 51.9kWh | 11.2kWh | 29.5kWh |
※3日計は丸める前の値から計算しているので、表の数字を足した値と少しずれます。

※図2:上段は1時間枠ごとの発電、消費、買電です。下段は同じ時間軸の蓄電池の残量で、各1時間枠の最小を描いています。網かけは22日の0〜8時です。
9月20日は、発電12.5kWhに対して消費が13.4kWh。足りない分は蓄電池から出して、買電は0.1kWhで済みました。
9月21日は、発電がわずか2.1kWhでした。この日のうちに蓄電池を使い切って、7.9kWhを買っています。
そして9月22日。この日は一転して、発電が59.5kWhと9月でいちばん多い日になりました。売電も29.5kWhあります。それなのに、この日も3.3kWhを買っていますね。そのうち3.2kWhは0時から朝8時までに買った電気です。
当然ですが昼の余りを、その前の夜には使えません。
前の日に使い切った蓄電池は、発電で消費をまかなえるようになるまで残量が戻りません。22日の昼にどれだけ発電しても、その日の0時から朝8時までに買った3.2kWhは消せません。
これを見て思ったのは真冬と同じだということでした。蓄電池の残量が少ないまま次の日を迎えたら、こればかりは仕方ありません。

3日間を足すと、発電74.2kWhは消費51.9kWhより多いんです
それでも11.2kWh買っています

発電が少ないと充電に回らず買電になる
3日間で余った分は22日の昼に売電として出ていきました。その前の夜に足りなかった分には、回せなかったわけです。
もちろん、量そのものが足りなかった区間もあります。図1でもうひとつ印をつけた9月26日から30日の5日間は、発電が合計68.4kWh、消費が77.6kWhでした。5日を足しても発電が消費に届かず、16.4kWhを買っています。こちらは発電の少ない日が重なった区間です。
長雨の9月、1階の寝室の温度と湿度
わが家は定点観測として1階の寝室に温湿度計を置いて記録を取っています。
| 1階寝室(2026年9月・Home Assistantの記録を1分刻みに集計) | 平均 | 記録の中央90% |
|---|---|---|
| 室温 | 24.9℃ | 24.0〜25.8℃ |
| 絶対湿度 | 13.7g/m³ | 12.4〜14.8g/m³ |
絶対湿度15g/m³以上だった時間:2.3%
※記録が途切れた時間は除いています。
ことばの説明
絶対湿度:空気1 m³に含まれている水蒸気の量(g)です。湿度計の「%」と違って、空気の中の水そのものの量を表します。
私の目安とする快適な湿度は、モフモフのお布団にインできるかどうかです。数字でいうと、絶対湿度13g/m³台が目標です。14g/m³台はぎりぎり許せる範囲で、15g/m³台になると確実に不快です。あくまで私の目安で、一般的な快適の基準ではありません。
9月の平均13.7g/m³は、その目標の範囲に入っていました。一方で、15g/m³以上の時間も2.3%ありました。
ずっと雨だった9月でも除湿された室内の空気を快適にすることは大前提です。エアコンを停止したり稼働時間を減らせば買電は少なくなると思いますが、それでは本末転倒です。除湿のためにエアコンを使いながら、それでも電力自給率約92%を達成できたというのがポイントですね。
当たり前ですが寝室は家の中で人の動きが少ない1か所を測ったもので、家じゅうの結果ではありません。
弱点への対策:夜の買電に打てる手はあるか
では雨が続くと分かっていれば、夜に買う電気は減らせたのでしょうか。思いつくのは、電気を使う時間を天気に合わせることと、安い時間に電気を買って蓄電池に貯めておくことの2つです。
天気予報に合わせて、お湯を沸かす日を選ぶ
わが家のエコキュートは昼に太陽光パネルで発電した電気でお湯を沸かしています。
天気予報を見て今日は雨で発電が見込めないなって日は、昼の沸き上げを手動で休止することで対策しています(やり方は仮想的な蓄電池の記事で紹介しました)。
どんよりした雲か雨の予報のときは、沸き上げの休止が選択肢に入ります。
9月に昼の沸き上げをしなかった日は8日で、7月と8月は約2日ずつでした。8日はいずれも発電が少なめの日(1日2.1〜16.2kWh)で、お湯が足りなくなって夜に沸かし直すことはありませんでした。
もしその8日も昼に沸き上げをしていたら9月の買電は約5〜19kWh増えていた計算になります。
この計算の条件
- 8日という日数は、機器ごとの計測ではなく、家全体の消費の形から推定したものです。数え方によって7〜10日の幅があります。
- 増える量は、1回の沸き上げに使う電気をいくつと置くか(1.3〜2.9kWh)と、休止した翌日に増える沸き上げをどう扱うかで変わります。幅が広いのはそのためです。
- 条件を真ん中あたりに置くと、増える量は8〜12kWhで、月の買電の約2割にあたります。
- 仮想的な蓄電池の記事で書いた1回あたりの沸き上げ量は冬の条件での数字で、ここでの9月の仮定(1.3〜2.9kWh)とは条件が違います。
安い時間に買って、蓄電池に貯める
わが家の電力会社はLooopでんきで、30分ごとに市場の価格に合わせて単価が変わります。9月に買った44kWhの従量分は約1,870〜2,020円、1kWhあたり約42〜45円と推計しました。1時間ごとの記録の買電量と市場価格などから出した推計です。
もし仮に、安い時刻に電気を買って蓄電池に貯めて高い時刻の買電をそれで置き換えたらどうなるか。9月の実績で試算しました。
直前24時間でいちばん安い時刻に買って置き換える試算では、天気も価格も完全に分かっていたとしても得は月に約70〜110円でした。予報を使わない決まったルールは2つ試算しましたが(毎日深夜1時から3時に買う/前日に電欠したら買う)、結果はどちらも損になりました。
理由は2つあります。ひとつは買電の半分はもともと安い深夜に起きていることです。置き換える相手が最初から安いんですね。もうひとつは、蓄電池を通すと約2割が失われることです。スマホを充電したりゲームを動かしたりすると本体が熱くなるように、電気が熱として失われるロスは避けることができません。
この試算の条件
- 得は、蓄電池の往復効率(入れた電気のうち取り出せる割合)をいくつと置くかで大きく変わります。0.75と置くと約50〜60円、0.90と置くと約160〜210円です。ここでは9月の放電÷充電の0.81を置きました。
- 「約70〜110円」は、この置き換えの試算(蓄電池の容量の制約は置いていない)の中での上限です。どんな運用でもこれより得はしない、という意味ではありません。
- 「どちらも損」は、今回試した2つのルールに限った結果です。天気予報の当たり外れでも、現実の値は変わります。

お湯を沸かす日を動かすのは、電気を買わずに済ませる工夫です。
買って貯めるのは買う時間を動かす工夫で、蓄電池の損の分だけ買う量はかえって増えます

どちらも試算だ 天気予報の当たり方で中身は変わる
昼に太陽光でお湯を沸かしている家なら、天気予報に合わせたエコキュートの運用は、数少ない対抗手段です。しかも無料なので、おすすめです。ただ、雨が何日も続くときには向かないやり方でもあります。
そんなわけで、長雨の9月もヒツジさんは電気を買わない遊びに興じてました。
まとめ:記録的な長雨で見えた弱点と対策
- 発電が記録のある2023年1月以降でいちばん少ない月(724kWh)でも、電気の約92%(91.7%)を自給自足できました
- 日照0.0時間の21日にも発電は続き、合わせて9月の発電の48%になりました
- 買った電気は、夜と蓄電池の残量表示が低い時間に集まっていました(18時〜翌8時に85%、残量表示が低い時間帯に約9割)
- 月の合計では売電が買電の約4倍ありました。それでも時間が合わなければ買うことになり、月末には量そのものが足りない区間もありました
- 試算では、天気予報に合わせたエコキュートの休止がなければ、9月の買電は約5〜19kWh増えていました
- 「安い時間に買って貯める」は、今回試した2つのルールではどちらも損でした
記録的な長雨の9月でも電気の92%を達成。厳密に言うと送電線に繋がっていて停電のときの自立を確かめたモノではないんですが、わが家ではこんな感じに遊びつつ分析することで、いざ停電や災害になったときに普段と変わらない生活を送りやすくする工夫を行っています。
太陽光と蓄電池のあるお家なら、電気をいつ・どんなタイミングで買っているかを一度確認してみてね。
9月の電気代そのものは、月次の報告記事にまとめています。
それではまた@・ェ・)めー。
この記事に関するよくある質問
雨や曇りが続いても、太陽光パネルは発電しますか?
します。わが家の場合、気象庁さいたまで日照時間が0.0時間だった9月の21日にも、合計348.7 kWhを発電していました。1日平均で約17 kWh、9月の発電の48%にあたります。日照時間は直射日光が当たった時間のことで、届いた光の量(日射量)そのものではないので、日照0.0時間でも雲越しの光で発電は続きます。
月の売電が買電より多ければ、電気は自給できていると言えますか?
月の合計だけでは言えません。わが家の9月は売電181 kWhに対して買電44 kWhで、売った電気は買った電気の約4倍ありました。それでも44 kWhは買っていて、その85%は18時〜翌8時、約9割は蓄電池の残量表示が低くなった時間帯のものです。昼に余った電気は、その前の夜には使えません。月でいちばん発電した9月22日(59.5 kWh)でも、0時から朝8時までに3.2 kWhを買っていました。自給できているかどうかは、月の合計ではなく、電気を何時に買っているかに出てきます。
雨の時期の除湿はどうするの?
9月の半分以上はエアコンの冷房モードで過ごしました。気温が下がって冷房が動きを停止してサーモオフするような日は除湿モードに切り替えです。このとき再熱除湿機能があると温度を下げずに除湿を行うことができます。






